細胞外マトリックスとは?

細胞外マトリックス概要

私たちの身体は約40〜60兆個の細胞でできています。このたくさんの細胞たちがそれぞれ適切に分化して、身体の一部として役割を果たしています。しかし、身体の全てがこの細胞で満たされているわけだはありません。そこには「細胞外マトリックス」という私たち身体を作る上でとても重要な物質が必要なのです。細胞ひとつひとつは、まるで微生物のように生きていますが、それらが塊を作って身体の部分を構成しています。身体の中の細胞は、細胞外マトリックス(細胞の外にあるので細胞外マトリックス)の骨組みの中にはまりこむ形で存在しているのです。つまり、細胞外マトリックスというスポンジの穴の中に細胞が入り込んで生きているのです。骨や身体の部分によって、細胞外マトリックスの種類は様々なものがあります。たとえば、骨はカルシウムという物質を中心に、堅い細胞外マトリックスに骨を作る細胞がはまりこんでいます。もともと、この細胞外マトリックスは骨を作る細胞たちが作り出したものなのですが、自分で堅い細胞外マトリックスを作り出し、その中に住んでいるのです。また、皮膚(特に真皮と呼ばれる少し深い部分)にはコラーゲンという細胞外マトリックスが存在します。皮膚の大部分はこのコラーゲンに、線維芽細胞と呼ばれる細胞がはまりこんでいます。

線維芽細胞がコラーゲンを作り出し、そこを住みかとしているのです。このように、細胞外マトリックスは細胞と違ってそれ自体が生きているわけではありません。さらにコラーゲンにはたくさんの種類があり、皮膚以外の部分の細胞外マトリックスとしても重要な要素を持っています。細胞外マトリックスには他にも、タンパク質や無機質といった物質で構成されており、細胞が活動する際に最適な場所を提供し、細胞たちは自ら生きる場所として細胞外マトリックスを作って生きているのです。

細胞外マトリックスの種類

細胞外マトリックスは、実細胞の外に存在する超分子構造体で、細胞と細胞の隙間を満たす物質として全身のあらゆる部分に存在します。臓器を支持したり、細胞の生存環境を形成しています。それ故に細胞の移動や、細胞の接着、細胞の分化、増殖にも関係しています。細胞外マトリックスの主要成分には、コラーゲン、プロテオグリカン、フィブロネクチンやラミニンといった糖タンパク質があります。

細胞外マトリックス(再生医療分野)

細胞外マトリックスの主成分にはコラーゲンが含まれ、最近の医療分野ではコラーゲンの利用が広まりつつあります。癌細胞が増殖する過程ではコラーゲンが分解されたり、新たにつくられたりしますが、そのコラーゲンのかけらを調べて、その人が癌であるかどうか診断しようというものです。さらに、従来コラーゲンのかけらは血液の成分から検出しますが、尿から検出するシステムの開発が進められています。このシステムが確立されたら人体に負担をかけずに、癌の早期発見ができるのではと期待されています。

細胞外マトリックス(美容効果)

コラーゲンは細胞外マトリックスの主要タンパク質で生体内で一番多く含まれ、骨、皮、腸、皮膚などに大量に含まれるほか、ほとんどの器官に存在しています。しかも。細胞外マトリックスは細胞の働きに影響しますので、常に適切な環境を整えることが大切です。細胞外マトリックスには、線維芽細胞を活性化することにより、加齢とともに減少する美容に欠かせない成分(コラーゲン、エラスチン等)を豊富に生産させることで、美しさの核となる肌の細胞レベルから、活き活きさせ、”ハリ・弾力・潤い”に満ちた、若々しい理想的な「美しさ」を手に入れることができるのです。

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