水溶性βグルカン(β1,3-1,6)とは?

水溶性βグルカンとは?

水溶性β−グルカンは食物繊維であり、ブドウ糖(グルコース)のみが多数結合した多糖類をグルカンと呼びます。グルカンはその化学構造からα型とβ型に分けることができ、α−グルカンは幾つかの種類に分かれており、β−1,3-1,6-グルカンと呼ばれるものには「免疫向上作用」の効果があります。β−グルカンは、ブドウ糖がたくさんつながった多糖類の一種です。糖類は、その最小単位が1個の糖から成るものを単糖類、2個の単糖が組み合わさっているものを二糖類、10個以上つながっているものを多糖類と呼びます。多糖類にはグルカンやデキストリンなどがあります。アウレオバシジウム(黒酵母)水溶性β−グルカンは、β型のつながりをしており、幹(主鎖)にたくさんの枝(側鎖)がはえたような特殊な構造をしています。幹は「1,3」という構造で、枝は「1,6」という構造をしているため、「β-1,3-1,6グルカン」と呼ばれています。若々しさの持続、身体機能の維持などは「健康」であればこそ可能ですが、その健康を支えているのが「免疫機能」です。水溶性βーグルカンはその免疫機能を活性化する成分として、アメリカを始めとする、健康先進国で大きな注目を集めているのです。

自然免疫の重要性

免疫とは、人間や動物などが持つ、体内に入り込んだ「異物を排除する機構」です。人間の細胞(約40〜60兆個)は新陳代謝(ターンオーバー)によって、入れ替わりますが、1日(約6,000億個)産生される細胞の中でも、癌化してしまうものが多数存在します。それらの癌化した細胞を、NK(ナチュラルキラー)細胞が排除しています。自然免疫を上げるということは病気を治す可能性を高めること。そして、病気になるリスクを減らすというということに繋がるのです。

身体の免疫活性(免疫賦活)

水溶性βグルカンは腸に届き、癌化した細胞へ攻撃するマクロファージ、NK細胞を活性化する働きがあることが分かっています。私たち人間の消化器官には、外から侵入してきた病原体やウイルス、有害な化学物質の他、体内で毎日約5,000個も発生するといわれる癌細胞などから身を守る「免疫防御機能」が備わっています。「免疫防御機能」は、様々な免疫細胞がともに働くことで機能しますが、その中でも特に重要なのが「NK(ナチュラルキラー)細胞」です。血液によって常に全身を回り、癌細胞やウイルス感染細胞を発見すると、攻撃、死滅させる働きがあるのです。60〜70%が腸に存在するといわれているNK細胞。この働きをサポートするのが水溶性β−グルカンなのです。水溶性β−グルカンは、摂取すると胃で消化されずに腸まで届き、腸内でNK細胞を含む免疫細胞を刺激、活性化させ、身体の免疫力をアップさせます。活性化されたNK細胞やマクロファージはお互いを活性化し合い、さらにはリンパ球T細胞の一種であるキラーT細胞までも活性化に向けて誘導するため、免疫向上作用がより高まります。これらのことから、水溶性β−グルカン(β-1,3-1,6)の免疫活性(抗腫瘍活性)に注目が集まっているのです。まさに、健康維持や病気予防の強い味方になるのです。

血中コレステロール値の正常化

私たちの身体は、血液中のLDL(悪玉)コレステロール値が高いと、血管壁を厚くして血液の流れを悪くする為、動脈硬化など生活習慣病の原因になるといわれています。その為、LDL−コレステロール値と総コレステロール値を正常値に保つことが重要なのです。水溶性β−グルカンには、コレステロールの吸収を抑制し、総コレステロール値を正常に保つ働きがあることが分かっています。

血糖値の抑制

水溶性β−グルカンは、水に溶けると水分を吸収しゲル状になる性質があります。そのため、水溶性β−グルカンと一緒に食事を摂ると、胃の中で食べ物にからみつき糖質の消化・吸収がゆっくりとなり、食後の血糖値の上昇を穏やかにします。また、食後の血糖値上昇が穏やかになることで、すい臓でのインスリンの過剰な分泌を防ぎ、空腹時血糖値の上昇も抑えられます。このことから、糖尿病予防にも効果が期待できるのです。

腸の働きを正常化し便秘解消

腸の中で300〜1000倍の水分を取り込み膨張する水溶性β−グルカンは、消化・吸収されずにほとんどが便として排出されます。さらにその際、便に混ざった水溶性β−グルカンが水分を抱え込んで便をやわらかくし、かさを増加させます。かさが増加すると腸壁が刺激され、排便を促すぜん動運動が活発になり、便秘を解消する働きを促進します。

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