NMN(ニコチンアミド・モノクレオチド)とは

NMN

NMN最新研究まとめ|ミトコンドリア・NAD+・美容への影響をわかりやすく解説


はじめに――NMNって結局何?期待と不安の両方を整理する

「NMNで若返る」「長寿遺伝子が活性化する」「15分で全身に届く」。こうした言葉を目にして、期待と不安の両方を感じた人は多いのではないでしょうか。美容の現場でも、お客様から「NMNのサプリを飲んでいるけど、本当に効果があるの?」「化粧品にNMNが入っているけど、浸透するの?」という質問をよく受けます。

NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)は、ここ数年で急速に注目を集めている成分です。動物実験では、抗老化や代謝改善といった結果が報告されており、美容や健康の分野で大きな期待が寄せられています。しかし、動物とヒトでは結果が異なる可能性があること、ヒトでの長期的な安全性や効果についてはまだ研究途上であること、さらに規制や品質の問題もあることを理解しておく必要があります。

この記事では、NMNとは何か、NAD+との関係、サーチュイン遺伝子やミトコンドリアといった関連概念、動物研究とヒト研究の差、美容への応用、安全性、選び方、よくある誤解まで、美容の視点から丁寧に整理します。12,000文字という長さですが、読後にNMNについて現実的な理解と判断ができる情報を目指しました。

NMNの基本――NAD+前駆体として体内で何が起きるか

NMNとは、ニコチンアミドモノヌクレオチド(Nicotinamide Mononucleotide)の略称です。ビタミンB3(ナイアシン)に含まれる成分で、あらゆる生物の細胞の中に存在しています。

NMNが注目される理由は、NAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)の前駆体であることです。前駆体とは、体内で別の物質に変換される元となる物質のことです。NAD+は、細胞内でエネルギー代謝や遺伝子修復に関わる補酵素であり、生命活動に不可欠な物質です。

NAD+は、加齢とともに体内レベルが低下することが知られています。動物実験では、NAD+レベルの低下が老化や代謝疾患と関連することが示唆されています。そこで、NAD+レベルを維持または回復させる手段として、NMNが研究されているのです。

ただし、ここで注意したいのは、NMNを摂取すればNAD+が確実に増える、という単純な話ではない点です。体内でNMNがどのように吸収され、どの組織でNAD+に変換されるか、そのプロセスは複雑であり、まだ完全には解明されていません。

NMN以外にも、NAD+の前駆体としてNR(ニコチンアミドリボシド)やナイアシンが知られています。これらの違いは、体内での変換経路や吸収効率にあります。NMNとNRのどちらが優れているかについては、研究段階であり、確定的な結論は出ていません。

NAD+が減るとは何か――加齢との関係はどこまで確かか

NAD+は、細胞内でエネルギー代謝、DNA修復、遺伝子発現の調節といった重要な役割を果たしています。ミトコンドリアでのATP(アデノシン三リン酸、生体エネルギー通貨)の生成、サーチュイン遺伝子と呼ばれる酵素群の活性化などに関与しています。

加齢とともにNAD+レベルが低下することは、動物実験やヒトの組織サンプルで観察されています。ただし、NAD+レベルの低下が老化の原因なのか、老化の結果なのか、あるいはその両方なのかについては、まだ議論があります。

NAD+レベルが低下すると、ミトコンドリアの機能低下、DNA修復能力の低下、サーチュイン遺伝子の活性低下が起きる可能性があります。これらは、老化に伴う細胞機能の低下や疾患リスクの増加と関連するという仮説が提唱されています。

しかし、NAD+レベルを回復させれば老化が逆転する、という単純な因果関係は確立されていません。老化は、遺伝、環境、生活習慣、炎症、酸化ストレスなど、多数の要因が複雑に絡み合ったプロセスです。NAD+はその一部を説明する要素であり、全体を決定する唯一の要因ではありません。

動物研究で分かったこと――ただしヒトに直結しない注意

NMNに関する動物実験では、さまざまな抗老化効果や代謝改善効果が報告されています。代表的な研究結果を整理します。

マウスに長期間NMNを投与した実験では、体重増加の抑制、骨密度の維持、エネルギー代謝の改善、視力機能の維持といった効果が観察されました。また、糖尿病モデルのマウスでは、インスリン感受性の改善が報告されています。

神経系への影響として、記憶や学習能力の改善、アルツハイマー病モデルでの病態改善が示唆された研究もあります。心血管系では、心不全モデルでの心機能改善、血管の老化抑制といった結果が報告されています。

ただし、ここで非常に重要な注意点があります。動物実験の結果が、そのままヒトに当てはまるとは限りません。マウスとヒトでは、代謝速度、寿命、体の大きさ、NAD+の合成・分解経路が異なります。マウスで効果があった用量を、単純にヒトに換算することもできません。

また、動物実験では、遺伝的に均一な個体を使い、環境を厳密に管理した条件下で行われます。一方、ヒトは遺伝的に多様で、生活習慣、食事、ストレス、併存疾患など、多くの変数が存在します。動物で観察された効果が、ヒトでも同じように現れる保証はありません。

ヒト研究の現状――期待できる領域と期待しすぎない領域

NMNのヒト臨床試験は、2020年代に入ってから少しずつ増えてきました。ただし、試験の数はまだ限られており、長期的なアウトカムを評価した研究は少ないのが現状です。

これまでに報告されたヒト試験では、次のような結果が得られています。

安全性については、短期的な投与(数週間から数ヶ月)において、重大な副作用は報告されていません。一般的な用量(100mgから500mg/日程度)では、忍容性が良好とされています。ただし、長期的な安全性(数年単位)については、まだデータが不足しています。

代謝への影響として、一部の研究では、インスリン感受性の改善、筋肉のインスリンシグナル伝達の向上が報告されています。ただし、すべての試験で一貫した結果が得られているわけではなく、対象者の年齢、性別、健康状態によって結果が異なる可能性があります。

体組成や運動能力については、一部の研究で筋力や持久力の改善が示唆されていますが、効果の大きさや再現性については、さらなる研究が必要です。

認知機能への影響については、ヒトでの大規模な試験はまだ少なく、明確な結論は出ていません。動物実験では神経保護効果が示唆されていますが、ヒトでの効果を確認するには、より長期的で大規模な試験が必要です。

美容や皮膚への影響についても、ヒトでの経口摂取と皮膚状態の関係を評価した研究は限られています。一部の研究で、肌の水分量や弾力性の改善が報告されていますが、これも再現性や効果の大きさを確認するには、さらなる研究が必要です。

期待できる領域としては、代謝改善、運動能力の向上、安全性の範囲内での補助的な健康サポートが挙げられます。一方、期待しすぎない領域としては、若返り、疾患の治療、認知症の予防や改善、確実な美容効果などが挙げられます。これらは、現時点では研究段階であり、確定的な結論には至っていません。

サーチュイン遺伝子の説明――何が分かっていて何が未確定か

サーチュイン遺伝子(Sirtuin)は、長寿遺伝子とも呼ばれ、老化と寿命の制御に重要な役割を果たすとされる酵素群です。哺乳類には7種類のサーチュイン(SIRT1からSIRT7)が存在し、それぞれ異なる細胞内の場所で働いています。

サーチュインは、NAD+を消費して機能する酵素です。つまり、NAD+レベルが低下すると、サーチュインの活性も低下する可能性があります。サーチュインは、遺伝子発現の調節、DNA修復、ミトコンドリア機能の維持、炎症の抑制、細胞の生存といったプロセスに関与しています。

動物実験では、サーチュインの活性化が寿命延長や健康寿命の改善につながることが示唆されています。カロリー制限(摂取カロリーを減らすこと)が長寿効果をもたらすメカニズムの一つとして、サーチュインの活性化が挙げられています。

原文には「7種類ある全てのサーチュイン遺伝子に作用し若返りや抗老化が期待できる」という記述がありますが、この表現は誇張されている可能性があります。NMNがすべてのサーチュインを同じように活性化するという証拠は限定的であり、サーチュインの活性化だけで若返りが実現するという単純な話ではありません。

また、脳内でサーチュイン遺伝子の働きを高めると筋肉が若い状態に保たれる、という記述についても、動物実験では示唆されていますが、ヒトでの確認はまだ不十分です。老化に伴う身体機能の低下が、脳内のサーチュイン遺伝子の機能減退だけが原因とは言えません。

サーチュイン遺伝子に関する研究は進んでいますが、ヒトでの長期的な効果や、サーチュイン活性化が本当に寿命延長や健康改善につながるかについては、まだ研究段階です。

ミトコンドリア、ATP、活性酸素の話を分かりやすく

ミトコンドリアは、細胞内でエネルギーを生み出す小器官です。生体のエネルギー通貨と呼ばれるATP(アデノシン三リン酸)を生成する役割を担っています。私たちが呼吸で取り込んだ酸素の90%以上は、ミトコンドリアで消費され、ATPというエネルギーに変換されます。

加齢とともに、ミトコンドリアの機能は低下します。質の低下したミトコンドリアは、エネルギー効率が悪くなり、エネルギーを生み出す過程で大量の活性酸素を排出します。活性酸素は、細胞やDNAにダメージを与える物質であり、老化の原因の一つとされています。

NMNは、NAD+レベルを高めることで、ミトコンドリアの機能を改善する可能性が研究されています。NAD+は、ミトコンドリア内でのエネルギー代謝に不可欠であり、NAD+レベルが維持されることで、ミトコンドリアの活性が保たれるという仮説があります。

ただし、ミトコンドリアの機能低下は、NAD+レベルの低下だけが原因ではありません。遺伝子変異、酸化ストレス、炎症、栄養状態など、多数の要因が関与しています。NMNを摂取すればミトコンドリアが完全に若返る、という単純な話ではありません。

また、活性酸素についても、すべてが悪いわけではなく、適度な活性酸素は細胞のシグナル伝達に必要です。過剰な活性酸素が問題であり、そのバランスを保つことが重要です。

美容との関係――肌、角質層、バリア機能、ターンオーバーの基本

美容の文脈では、NMNが肌の老化を防ぐ、肌の保湿力を高めるといった説明がされることがあります。この主張の根拠と限界を整理します。

原文には「NMNを角層に添加すると、細胞内のNMN量が約100倍に増加。NADも増加しNMNがNADの代謝に関与していることがわかります」という記述があります。これは、おそらく研究機関での実験結果を指していますが、in vitro(試験管内)での実験と、実際の人間の肌での効果は異なる可能性があります。

皮膚の最も外側にある角質層は、死んだ細胞の層であり、代謝活動はほとんどありません。角質層の下にある表皮の基底層では、細胞分裂が活発に行われており、ここでNAD+レベルが維持されることが、ターンオーバー(肌の新陳代謝)に影響する可能性があります。

NMNやNAD+が、肌の天然保湿因子(NMF)の産生を促す、という記述もあります。天然保湿因子は、角質層の水分を保持する成分であり、アミノ酸、乳酸、尿素などから構成されます。NMNがNMFの産生に関与する可能性は研究されていますが、これも実験条件と実際の肌での効果は異なります。

肌本来の保湿力が高まる、という表現は期待値として理解できますが、確実な効果として断定することはできません。肌の保湿力は、角質層の水分保持能力、皮脂膜の状態、生活習慣、環境など、多数の要因に左右されます。

外用NMNと浸透型NMN誘導体の違いを整理――浸透の定義は角質層まで

化粧品やヘアケア製品に配合されるNMNには、従来型NMNと浸透型NMN誘導体があります。この違いを整理します。

従来型NMNは、分子量が大きく、水溶性であるため、皮膚バリアを通過しにくいという問題がありました。皮膚の角質層は、外部からの物質の侵入を防ぐバリア機能を持っており、分子量が500ダルトン以上の物質は、通常は浸透しにくいとされています。NMNの分子量は約334ダルトンですが、水溶性のため、脂質で構成される角質層を通過しにくい可能性があります。

浸透型NMN誘導体は、NMNの構造を化学的に修飾したもので、皮膚への浸透性、安定性、活性力を向上させることを目的としています。ただし、「浸透」という言葉の定義は、化粧品では角質層までを指します。角質層を超えて真皮や血流に到達することは、化粧品では想定されていません。

当社製品である「Ai SENOLIX NMN」「DDS PSC 100 NMNショット」「DDS SENOLIX NMN」には、この浸透型NMN誘導体が配合されています。ヘアケア製品では、頭皮の角質層や毛穴への浸透を、美容液では顔の角質層への浸透を意図した設計です。

ただし、浸透したからといって、確実に効果が出るわけではありません。角質層に届いたNMN誘導体が、そこでどのように作用するか、どの程度NAD+レベルに影響するかは、製品や個人の肌質によって異なります。

DDSという言葉の整理――医薬品のDDSと化粧品のデリバリーは別物

DDS(ドラッグデリバリーシステム)という言葉が、化粧品やサプリメントのマーケティングで使われることがあります。ここで注意したいのは、医薬品のDDSと化粧品のデリバリーは、到達範囲も規制も別物であるという点です。

医薬品のDDSは、薬物を血流に乗せて全身に届けたり、特定の臓器や細胞に選択的に届けたりする技術です。リポソーム、ナノ粒子、抗体薬物複合体(ADC)といった高度な技術が使われます。

一方、化粧品のデリバリーは、角質層への浸透を助ける技術であり、血流や細胞内への到達は想定されていません。リポソーム化、ナノカプセル化、エマルジョン技術といった方法が使われますが、これらはあくまで角質層への浸透性を高めるためのものです。

当社製品の「DDS SENOLIX NMN」「DDS PSC 100 NMNショット」にも、DDSという言葉が使われていますが、これは化粧品のデリバリー技術を指しています。具体的には、成分をリポソームに封入して浸透しやすくする、粒子径を小さくする、エステル結合を形成させて取り込みやすくする、といった技術です。

誤解を避けるために、化粧品のDDSは「必要な成分を角質層に届ける技術」として理解することが適切です。

摂取目安の考え方――製品によって差があるため一般論として

NMNのサプリメントを摂取する場合、どれくらいの量が適切かという疑問があります。ただし、これは製品や個人の体質によって異なるため、一般論として整理します。

ヒト臨床試験では、100mgから500mg/日程度の用量が使われることが多いです。中には1,000mg/日を超える用量の試験もありますが、高用量が必ずしも効果が高いわけではありません。

NMNは、空腹時に摂取すると吸収が良いという報告があります。ただし、胃腸に負担を感じる場合は、食後に摂取することも選択肢です。

原文には「胃腸から速やかに吸収され全身に行き渡ります(末端毛細血管まで15分ほどで到達すると予測)」という記述がありますが、この「15分」という数字は、動物実験や理論的な予測に基づくものであり、ヒトでの確実なデータとは言えません。吸収速度は、個人の消化機能、食事の内容、製品の形状(カプセル、粉末、錠剤など)によって変わります。

摂取のタイミングについても、朝が良いのか夜が良いのかは、まだ確定的な結論はありません。一部の専門家は、NAD+レベルが低下しやすい朝の摂取を推奨していますが、個人の生活リズムに合わせて調整することが現実的です。

安全性と注意――併用注意、妊娠授乳、持病、薬剤、受診推奨の線引き

NMNの安全性については、短期的な試験では重大な副作用は報告されていません。ただし、長期的な安全性(数年単位)については、まだデータが不足しています。

副作用として、一部の人で消化器症状(下痢、吐き気、腹部不快感)が報告されています。これは、NMNの用量が高すぎる場合や、個人の体質による可能性があります。まずは少量から始めて、体調に変化がないか確認することが推奨されます。

併用注意として、次のような状況では医師や薬剤師に相談してから使用することをおすすめします。

妊娠中、授乳中の方は、胎児や乳児への影響が不明なため、使用を避けるか、医師に相談してください。

持病がある方、特に糖尿病、心血管疾患、腎臓病、肝臓病などの方は、NMNが病態や薬の効果に影響する可能性があるため、医師に相談してください。

薬を服用中の方は、NMNと薬の相互作用が起きる可能性があります。特に、血糖降下薬、血圧の薬、抗凝固薬などを服用している方は、注意が必要です。

また、NMNのサプリメントは、医薬品ではなく健康食品です。疾患の治療目的で使用することは避け、症状がある場合は医療機関を受診してください。

選び方――品質表示、純度、第三者試験、原料情報、GMPなどを一般向けに

NMNのサプリメントを選ぶ際、品質や安全性を確認するポイントを整理します。

まず、純度です。NMNの純度が98%以上の製品が推奨されます。純度が低いと、不純物が混ざっている可能性があります。製品のラベルやウェブサイトで、純度が明記されているか確認してください。

次に、第三者試験の有無です。第三者機関による品質試験や成分分析が行われているかどうかは、信頼性の目安になります。試験結果が公開されている製品は、透明性が高いといえます。

原料情報も重要です。NMNの原料がどこから来ているか、製造方法(発酵法、化学合成法など)が明記されているかを確認してください。発酵法で作られたNMNは、化学合成法よりも純度が高いとされることがあります。

GMP(Good Manufacturing Practice、適正製造規範)認証を受けた工場で製造されているかも、品質の目安です。GMP認証は、製造工程の管理や品質保証が適切に行われていることを示します。

価格についても、極端に安い製品は、純度や品質に問題がある可能性があります。一方、高価格だからといって必ずしも品質が高いとは限りません。複数の製品を比較し、品質表示や第三者試験の有無を確認することが大切です。

また、各国の規制にも注意が必要です。米国では、FDAがNMNの食品としての販売について議論を行っており、一部の製品が市場から撤退する可能性があります。日本では、NMNは健康食品として販売されていますが、医薬品成分としての承認は受けていません。規制は変わる可能性があるため、最新の情報を確認することが推奨されます。

よくある誤解――NMNで若返る、すぐ効果が出る、15分で末端まで届くなど

NMNについて、よくある誤解を整理しておきます。

誤解1:NMNで若返る

NMNを摂取すれば、見た目や体力が若返る、という断定はできません。動物実験では抗老化効果が示唆されていますが、ヒトでの長期的な効果は研究途上です。若返りは、遺伝、生活習慣、環境、ストレス管理など、多数の要因が関わるプロセスであり、NMNだけで実現するものではありません。

誤解2:すぐ効果が出る

NMNは、即効性があるものではありません。NAD+レベルの変化や、それに伴う代謝改善、体感の変化には、数週間から数ヶ月かかる可能性があります。また、効果の感じ方は個人差が大きく、すべての人が同じように効果を実感できるわけではありません。

誤解3:15分で末端毛細血管まで届く

原文には「末端毛細血管まで15分ほどで到達すると予測」という記述がありますが、これは動物実験や理論的な予測に基づくものであり、ヒトでの確実なデータではありません。吸収速度は、個人の消化機能、食事の内容、製品の形状によって変わります。

誤解4:7種類すべてのサーチュイン遺伝子に作用する

NMNがすべてのサーチュイン遺伝子を同じように活性化するという証拠は限定的です。サーチュインの種類によって、活性化の程度や条件が異なる可能性があります。

誤解5:完治不可能な病気が治る

原文には「現代医学ではこれまで完治が不可能と言われていた数々の症例にも効果を上げる可能性がある」という記述がありますが、これは過度な期待を煽る表現です。NMNは、疾患の治療薬ではなく、健康食品です。疾患の治療には、医療機関での診断と適切な治療が必要です。

誤解6:天然保湿因子が確実に増える

NMNが角質層に浸透すると、天然保湿因子(NMF)の産生が促される、という説明がありますが、これも実験条件と実際の肌での効果は異なる可能性があります。NMFの産生は、ターンオーバー、栄養状態、生活習慣など、多数の要因に影響されます。

まとめ――現実的な結論と次に調べるキーワード

NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)は、NAD+の前駆体として、エネルギー代謝、遺伝子修復、サーチュイン遺伝子の活性化に関与する可能性が研究されています。動物実験では、抗老化効果や代謝改善効果が報告されていますが、ヒトでの長期的な効果や安全性については、まだ研究途上です。

NMNを摂取すれば若返る、病気が治る、といった断定的な効果は確認されていません。健康食品として、補助的な健康サポートの位置づけで使用することが現実的です。

美容への応用として、浸透型NMN誘導体を配合した化粧品やヘアケア製品が開発されていますが、浸透は角質層までであり、真皮や血流への到達は想定されていません。効果の感じ方は個人差が大きく、製品の品質や使用方法にも左右されます。

安全性については、短期的な試験では重大な副作用は報告されていませんが、長期的な安全性については、さらなる研究が必要です。妊娠中、授乳中、持病がある方、薬を服用中の方は、医師や薬剤師に相談してから使用してください。

選び方としては、純度、第三者試験の有無、原料情報、GMP認証を確認し、過度に安価な製品や誇大広告をしている製品は避けることが推奨されます。

次に調べるキーワードとして、「NAD+ サーチュイン 関係」「NMN ヒト臨床試験 最新」「ミトコンドリア 老化 メカニズム」「NMN 副作用 長期」「FDA NMN 規制」といった言葉を検索すると、さらに深い理解につながります。


FAQ

Q1. NMNとNAD+の違いは何ですか?
A. NMNは、NAD+の前駆体です。前駆体とは、体内で別の物質に変換される元となる物質のことです。NMNを摂取すると、体内でNAD+に変換される可能性があります。

Q2. NMNを飲めば若返りますか?
A. いいえ、NMNを飲めば確実に若返るという証拠はありません。動物実験では抗老化効果が示唆されていますが、ヒトでの長期的な効果は研究途上です。

Q3. NMNはどれくらいの量を摂取すれば良いですか?
A. ヒト臨床試験では、100mgから500mg/日程度の用量が使われることが多いです。ただし、個人の体質や製品によって適量は異なります。まずは少量から始めることをおすすめします。

Q4. NMNに副作用はありますか?
A. 短期的な試験では、重大な副作用は報告されていません。一部の人で、消化器症状(下痢、吐き気など)が報告されています。体調に異変を感じた場合は、使用を中止し、医療機関に相談してください。

Q5. 妊娠中や授乳中でも飲めますか?
A. 妊娠中や授乳中の方は、胎児や乳児への影響が不明なため、使用を避けるか、医師に相談してください。

Q6. 薬を飲んでいますが、併用しても大丈夫ですか?
A. 薬との相互作用が起きる可能性があります。特に、血糖降下薬、血圧の薬、抗凝固薬などを服用している方は、医師や薬剤師に相談してから使用してください。

Q7. NMNとNRの違いは何ですか?
A. NMNとNR(ニコチンアミドリボシド)は、どちらもNAD+の前駆体ですが、体内での変換経路や吸収効率が異なります。どちらが優れているかについては、研究段階であり、確定的な結論は出ていません。

Q8. NMNの化粧品は、肌に浸透しますか?
A. 化粧品における「浸透」は、角質層までを指します。角質層を超えて真皮や血流に到達することは、化粧品では想定されていません。浸透型NMN誘導体は、角質層への浸透性を高めた設計です。

Q9. NMNで認知症が治りますか?
A. いいえ、NMNで認知症が治るという証拠はありません。動物実験では神経保護効果が示唆されていますが、ヒトでの効果は研究途上です。認知症の治療には、医療機関での診断と適切な治療が必要です。

Q10. NMNはいつ飲むのが良いですか?
A. 空腹時に摂取すると吸収が良いという報告がありますが、胃腸に負担を感じる場合は食後でも構いません。朝が良いのか夜が良いのかは、まだ確定的な結論はありません。個人の生活リズムに合わせて調整してください。

Q11. NMNの品質はどう確認すれば良いですか?
A. 純度(98%以上が推奨)、第三者試験の有無、原料情報、GMP認証を確認してください。品質表示が明確で、第三者試験の結果が公開されている製品は、信頼性が高いといえます。

Q12. NMNは安全ですか?
A. 短期的な試験では重大な副作用は報告されていませんが、長期的な安全性(数年単位)については、まだデータが不足しています。体調に異変を感じた場合は、使用を中止し、医療機関に相談してください。


参考文献・参考リンク

以下は、この記事の作成にあたり参照した情報源の一例です。NMNに関する研究は日々更新されているため、最新の情報を確認することをおすすめします。

PubMed – NMN Human Clinical Trials
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/
(NMNのヒト臨床試験に関する論文データベース。最新の研究結果を検索できます。)

Nature – Nicotinamide mononucleotide (NMN) and NAD+ research
https://www.nature.com/
(NMNとNAD+に関する基礎研究や総説論文が掲載されています。)

Washington University School of Medicine – NAD+ and Aging Research
https://medicine.wustl.edu/
(ワシントン大学医学部のNAD+と老化に関する研究情報。)

FDA – Dietary Supplements Guidance
https://www.fda.gov/
(米国FDAによる健康食品に関するガイダンスと規制情報。)

厚生労働省 – 健康食品に関する情報
https://www.mhlw.go.jp/
(日本における健康食品の規制や注意喚起に関する情報。)

日本抗加齢医学会
https://www.anti-aging.gr.jp/
(抗加齢医学に関する学会情報。NMNを含む抗老化成分の研究動向。)

ClinicalTrials.gov – NMN Clinical Studies
https://clinicaltrials.gov/
(NMNに関する臨床試験の登録情報。進行中の研究や結果を確認できます。)

日本美容皮膚科学会
https://www.jsad.or.jp/
(美容皮膚科学に関する学会情報。化粧品成分や皮膚への浸透に関する研究。)

消費者庁 – 健康食品の表示に関する情報
https://www.caa.go.jp/
(健康食品の誇大広告や不適切な表示に関する注意喚起。)


当社取り扱い製品のご紹介(参考情報)

この記事では、NMNに関する一般的な情報を解説しましたが、当社でもNMNを配合した製品を取り扱っています。参考情報として、以下に紹介します。

Ai SENOLIX NMN(セノリックスNMNシステム)ヘアケア製品
セノリティクス理論と浸透型NMN誘導体を組み合わせた、エイジングヘアをケアする製品です。頭皮の角質層への浸透性を高めた設計です。ヘアケア業界として初めて浸透型NMN誘導体を採用しました。

DDS PSC 100 NMNショット(美容液)
浸透型NMN誘導体を主成分に、ヒト間葉系幹細胞培養液を組み合わせた美容液です。肌の角質層への浸透性に優れた設計で、ターンオーバーの促進、保湿力の強化を目的としています。

DDS SENOLIX NMN(セノリックスNMNシステム)スキンケア
セノリティクス成分を段階的に肌へ浸透させる新発想のエイジングケア製品です。エマルジョン、リキッド、ジェルの3段階で、成分の送達効率を追求した設計です。

これらの製品は、浸透型NMN誘導体を配合していますが、浸透は角質層までを意味します。真皮や血流への到達は想定されていません。効果の感じ方は個人差が大きく、製品の使用方法や肌質によって異なります。ご使用に際しては、パッケージの注意事項をよく読み、肌に異変を感じた場合は使用を中止してください。


用語集

用語意味・ポイント
NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)NAD+を作るための材料(前駆体)として研究される成分。動物研究では代謝や加齢関連指標への示唆がある一方、ヒトでの長期データはまだ限られる。
NAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)細胞内でエネルギー代謝やDNA修復などに関与する補酵素。加齢とともに低下する可能性が示唆され、NMNやNRなどの前駆体で維持を狙う研究が進む。
前駆体(ぜんくたい)体内で別の物質に変換される元になる物質。NMNはNAD+の前駆体として扱われる。
NR(ニコチンアミドリボシド)NAD+前駆体の一種。NMNと同様に研究があるが、どちらが優位かは条件や研究によって評価が揺れており、確定的ではない。
ナイアシン(ビタミンB3)NAD+合成にも関与するビタミン。NMNやNRと同じくNAD+関連の経路で語られることが多い。
サーチュイン(Sirtuin)長寿遺伝子と呼ばれることがある酵素群。NAD+を使って働くため、NAD+量の変化と合わせて語られやすいが、ヒトで若返りを断定できる段階ではない。
SIRT1〜SIRT7哺乳類で知られるサーチュインの種類。細胞内の働く場所や役割が異なり、「全部が同じように活性化する」とは言い切れない。
ミトコンドリア細胞のエネルギー工場。ATPを作る中心で、加齢や生活習慣、炎症など複合要因で機能が落ちると考えられている。
ATP(アデノシン三リン酸)細胞が使うエネルギー通貨。ミトコンドリアで作られ、運動や修復など生命活動の基盤になる。
活性酸素(ROS)エネルギー産生過程などで生じる反応性の高い物質。過剰だと細胞ダメージにつながるが、少量はシグナルとして必要な側面もある。
酸化ストレス活性酸素の産生と抗酸化のバランスが崩れ、ダメージが優位になる状態。老化や肌コンディションの話題で頻出。
炎症(慢性炎症)体内で弱い炎症が続く状態が、加齢や肌状態に関与するという考え方。NMN周辺でも併せて語られやすい領域。
ヒト臨床試験人を対象に安全性や有効性を検証する試験。NMNは短期試験が増えてきた一方、長期(年単位)の結論は不足しがち。
動物実験マウスなどでの研究。示唆は得やすいが、ヒトへそのまま一般化できないことが多い(代謝や寿命の違いなど)。
in vitro(インビトロ)試験管内・培養細胞などで行う実験。皮膚に関するデータも多いが、実際のヒトの肌で同じ結果になるとは限らない。
角質層皮膚の最外層。化粧品の「浸透」は基本的に角質層までを指し、バリア機能の中心でもある。
バリア機能外部刺激や乾燥から肌を守る仕組み。角質層の状態、細胞間脂質、皮脂膜などが関与する。
ターンオーバー表皮の新陳代謝サイクル。年齢、睡眠、栄養、炎症など多因子で変動し、肌の見た目にも影響する。
NMF(天然保湿因子)角質層で水分を抱え込む成分群(アミノ酸など)。肌のうるおい・柔らかさの基盤として重要。
分子量(ダルトン)成分の大きさの目安。一般に大きい分子ほど角質層を通りにくいとされ、浸透設計の議論で登場する。
浸透(化粧品の定義)化粧品では角質層まで届くことを指す表現。真皮や血流へ到達する意味で使うと誤解になりやすい。
NMN誘導体(浸透型NMN誘導体)NMNを化学的に修飾し、安定性や角質層へのなじみを狙った設計概念。製品ごとに定義やデータの提示範囲が異なる。
DDS(ドラッグデリバリーシステム)医薬品領域では標的へ薬を届ける技術。化粧品文脈では角質層への届け方を指すことが多く、同じ言葉でも到達範囲が別物。
リポソーム脂質二重膜の小さなカプセル構造。成分を包み込み、角質層へのなじみや安定性を狙う設計で使われる。
ナノカプセルナノサイズの微小カプセルに成分を内包する設計。配合成分の安定化や使用感、届け方の工夫で登場する。
エマルジョン水と油を乳化した状態(乳液など)。成分の分散や浸透感、使用感の設計で重要。
粒子径粒子の大きさ。小さくすることで肌なじみやテクスチャが変わるが、効果を断定するには製品データが必要。
GMP適正製造規範。サプリなどの製造工程が一定基準で管理されている目安で、品質選びの指標として使われる。
第三者試験(第三者機関の分析)メーカー以外の機関が成分量や純度などを検査すること。結果の公開があると透明性の判断材料になる。
純度目的成分がどれだけ含まれるかの割合。不純物の混入リスクと関連するため、サプリ選びで重視されやすい。
相互作用サプリと薬、または複数成分の組み合わせで作用が変わる可能性。持病や服薬がある場合は相談が推奨される。
忍容性(にんようせい)摂取しても大きな副作用が出にくい性質。ヒト試験では「忍容性は良好」などの表現で登場する。
インスリン感受性血糖を下げるホルモンであるインスリンが効きやすい状態。NMN研究では代謝領域の評価指標として登場する。
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